職人のこだわり『金沢の森』~時代の先をゆく挑戦が今の和菓子作りへと繋がる~
清香室町の職人技が光るこだわりの製法や商品の誕生秘話、
和菓子づくりに込める熱い想いを紹介する“職人のこだわり”。
今回は、子どもも大好き!バターが香る和洋菓子の『金沢の森』をご紹介します。
開発のきっかけはまさかの理由
「金沢の森」開発当時の2~30年前は、和菓子と言えば「羊羹」「最中」「落雁」などの定番のものしかありませんでした。
そんな中、和洋折衷のお菓子を作ろうと決めた一番の理由は、「洋菓子が好き」という三代目の個人的な嗜好だったのです。
「和菓子屋なんだけど、実は洋菓子も大好きでね…」とはにかむ三代目。
和菓子の中に大好きな洋菓子の要素を取り入れ、多様性を極めることで、和菓子の可能性を広げたいと思ったのが「金沢の森」誕生のきっかけでした。
当時のその想いは、「金澤文鳥」を始めとした昨今の新商品開発に繋がる礎となっています。
眠っていたカステラの技術を生かして
洋菓子の生地作りは初めてではあったものの、元々持っていたカステラを作る技術を応用。
苦戦しながらも、洋菓子特有のふっくらした口あたりを実現しました。
中の白餡は、固まりすぎないようにやわらかくしっとりと炊き上げるのがポイントで、アクセントになるホイップクリームは、フレッシュ感を残すために餡の炊き上がりの直前に混ぜ合わせます。
こうして出来上がった金沢の森は、和と洋のそれぞれの風味を生かした新しいお菓子として今もなお根強い人気を誇っています。