地元に根差し、清香室町に関わる全ての人が笑顔になれる和菓子屋に。

～三方が幸せになれる和菓子づくり～

創業から70有余年。
日本三大和菓子処の一つである金沢市内には、数多くの老舗和菓子店がひしめき合っています。
そんな中、今日まで「清香室町」の看板を守ってこられているのは、当店を長年愛し続けてくださるお客様のおかげであることはもちろん、信頼のおける取引先企業様とのご縁があってこそだと常々感じております。
当店のような製造業は、いくら優れた技術や設備を有していても自分たちの力だけでは良い商品をつくることはできません。
おいしい和菓子づくりに不可欠である良質な原材料を提供くださる取引先企業様、当店らしさを残しつつ新しい時代の風を吹き込んでくださるパッケージ制作会社様、地元の活性化を共に目指す他業界の仲間など、当店がこれまでお世話になってきた方々は、単なる「業者」ではなく、大切なお客様・パートナーにあたる存在です。
お客様だけではなく、その方たちも含めた「売り手よし、買い手よし、世間よし」という三方よしの考え方を基軸に、商品を買ってくださるお客様、取引先企業様、地域社会の幸せを考え、初代から和菓子づくりと向き合ってきました。

～取引先企業様とのご縁～

新たな取引先を探す際は、取り扱っているモノやサービスの品質・実績を重視するのはもちろんですが、「お互いに信頼関係を築いていきたい」「ともに成長し応援していきたい」と思えるような企業様を選ばせていただいています。
価格ばかりに目を向け、誠実さやこだわりを見失ってしまうと、それが和菓子の表情や味にあらわれてしまい、必ずお客様にも伝わります。
地域やお客様のために取引先企業様と一緒に切磋琢磨し合っていくなかで、企業間の信頼関係が築かれていき、それぞれが持ち合わせている良さ以上の商品が生まれる。
こうした取引先企業様との良好な関係性は、また新たな人やモノとの出会いをもたらし、
お互いの更なる発展につながっていくため、今後もその気持ちを大切にご縁を結んでいきたいと思っております。　

～「世間よし」の実現には地縁を大切にすることが重要～

おいしい和菓子をつくり、お客様に笑顔を届けるのは和菓子屋にとって当たり前のことですが、和菓子を通して地域を盛り上げることも我々の使命だと考えています。
地域に深く根を下ろし地元のコミュニティとの連携を密にすることで、金沢の魅力を世に広げようという同志が集まり、さまざまなことに果敢に取り組んでいける正の連鎖が生まれます。
こうした相乗効果によって、一社ではできないことすらも可能になるという点で、地域を基盤とした関係性を構築することの意味は非常に大きいと考えます。
まだまだ伝えきれていない金沢の魅力を発信し、地域社会を発展させていくためにも、今後も地縁を大切にした和菓子づくりを行っていきます。

＜小林屋茶舗様＞

金澤文鳥に使用している加賀紅茶と加賀棒茶の茶葉は、当店から歩いて10分の小林屋茶舗様から仕入れています。
製茶業界と和菓子業界、異なる業界ではありますが、小林屋茶舗様と当店は金沢を活気づけたいという同じ志をもってこれまで励んでまいりました。
製茶組合の「苦難に負けずに加賀紅茶を全国に発信していきたい！」という熱い想いに心動かされ、一緒に実現するべく金澤文鳥の開発に取り組みました。
これまで加賀紅茶は価格や知名度の点から、消費量はそれほど多くなかったそうですが、
金澤文鳥シリーズの加賀紅茶味がきっかけの一つとなり、認知度アップ・消費量の増加に微力ながら貢献することができました。

＜紙文房あらき様＞

紙文房あらき様は、金沢の近江町市場にお店を構える紙と文房具のお店で、創業約200年の歴史をもつ老舗店です。
以前、東京での和菓子イベントに参加する機会があり、そこでの展示ブースのテーマが「未来」に決まったという連絡がありました。
それを聞いたとき、「金沢の伝統工芸を “未来 “につなごうと頑張っている若手の職人とコラボしたい！」と思い立ち、紙文房あらきの六代目・荒木様に声をおかけして、「金澤文鳥」の文鳥をモチーフにした水引細工をつくっていただきました。
ジャンルは違えども、新しい風を入れながら金沢の美しい文化や伝統技術を守り、継承していこうとする同志とのご縁は、今後も色々な方向に広がっていくように思います。
水引文鳥のおかげで、イベントでもたくさんのお客様とご縁を結ぶことができました。

素朴で小さな和菓子でも、地元金沢やたくさんのお客様を幸せにできると、日々身をもって実感しています。
ただ、それは決して自分たちの努力だけでなく、品質にこだわった当店の和菓子を選んでくださるお客様や取引企業様、従業員の支えによるものだと感じており、皆様への愛と感謝を常々忘れないようにしています。
これこそが当店が歩んできた70年の歴史の重みとなっており、サステナブルなビジネスの根幹にあるもの。
これからも、皆様とのご縁の先にある、さらなるご縁を紡ぎ、当店に関わる全ての人が笑顔になれる和菓子屋を目指して参ります。