清香室町が和菓子の素材にこだわり続ける理由
「素材にこだわり 受け継いできた伝統の和菓子を これからもここ金沢で。」
~良質な和菓子を手軽に召し上がっていただきたい~
清香室町では、たくさんのお客様に金沢和菓子の魅力をお伝えし愛していただけるよう、上質な素材を厳選し、美味しさにこだわった商品を提供することに情熱を注いでいます。
また、日ごろから和菓子に親しんでもらうためにも、皆様がお求めになりやすい価格帯で商品を提供することも心掛けています。
もちろん、だからと言って品質を蔑ろにした安価な素材を使用したり、コストを抑えるために製造工程を妥協したりするなどといったようなことは一切ございません。
商品価格を抑えながらも上質な素材を使用するということは、経営的にはあまり褒められたものではないかもしれません。しかしそれはお客様に美味しいお菓子を手軽に楽しんでいただきたいという強い想いがあるからこそ。
当店の和菓子を食べて喜んでくださるお客様の笑顔を守るために、この信念をこの先もずっと持ち続けていく所存です。
~素材選びのこだわり~
和菓子の美味しさは、ひとつひとつの素材の品質にかかっています。そのため当店では、品質の優れたものを厳選することを徹底しています。
新商品を開発する際には、一つの素材に対して複数の産地や形状違いのものを候補として用意し、何度も試作と試食を重ねたうえで最も適した食材を選び抜きます。
例えば「金澤文鳥 加賀紅茶味」の副材料であるクランベリーは、価格の安いアメリカ産ではなく、上質かつ強い酸味とほのかな甘みのバランスが絶妙なラトビア産のものを使用しています。
また、「金澤和しょこら いちご」に練り込む苺パウダーは、苺をフリーズドライにしたものを採用。安価な苺ペーストなども試しましたが、やはり苺の甘酸っぱい風味をそのまま閉じ込めたフリーズドライパウダーのほうが、より生の苺に近いフレッシュな味わいを楽しんでいただけると感じたからです。
良質な素材はどうしてもお値段が張るものですが、採算を考えるよりもまず、自由に食材を選びただひたすらに美味しさを追求する、それが清香室町のこだわりです。
~餡づくりへのこだわり~
和菓子づくりにおいて、水は極めて重要な要素。当店の自家製餡には、まろやかで雑味のない味わいが特徴である石川県白山市の手取川源流水を使用しています。
また、餡の味を大きく左右する小豆は粒よりの北海道産のものを選別しました。北海道は昼夜の温度差が大きいため、小豆にはでんぷん質が豊富に蓄えられます。その結果、炊きあがりはほっくりでたっぷりと甘みを含んだ餡に仕上がるのです。
北海道産小豆は他の国産のものに比べ特に品質の良いものが育ちやすく、当店の自家製餡には欠かせない素材。
しかし、美味しい餡づくりは、良質の素材だけでは成り立ちません。
季節によって変化する気温や湿度に応じて水の量や炊き上げ時間を微調整し、「いつもと変わらない味」を提供し続ける職人技が合わさって初めて、清香室町の自慢の餡が完成します。
工場での機械生産とは違い、清香室町では丁寧な職人の手仕事が光るからこそ、美味しい和菓子が生まれます。
~金沢和菓子の伝統を未来へ繫いでいく~
私たち清香室町は、金沢の昔ながらの伝統や食文化を守り継承しながら、その魅力を広めていく使命を胸に秘めています。
時代の変化に応じて素材を選び直さざるを得ないこともありますが、先代から引き継いできた清香室町の味が「変わってしまったなぁ」と思われることのないよう、職人の魂と技術を日々守り続けております。
また、和菓子離れが進んでいる昨今、若者世代にも金沢和菓子の魅力を知ってもらえるよう、伝統と新しい技術を融合した新商品開発にも挑戦しています。
これからも素材選びへのこだわりには妥協せず、伝統を進化させ後世へと継承しながら、当店の和菓子を召し上がってくださったお客様に笑顔をお届けし続けられるよう日々努力して参ります。