職人のこだわり『北国宝生旅衣』~ひと手間を大切に。変わらない製法を受け継いでいく。~
清香室町の職人技が光るこだわりの製法や商品の誕生秘話、
和菓子づくりに込める熱い想いを紹介する“職人のこだわり”。
今回は、大栗がまるごと1個入った贅沢な一口羊羹『北国宝生旅衣(たびごろも)』をご紹介します。
昔から変わらない製法でつくる手づくり羊羹。
『北国宝生旅衣』は約30年前から清香室町の定番菓子。その頃はまだ練り羊羹と抹茶羊羹の2種でした。それから約10年、お客様から小倉羊羹もと声が上がり、現在の3種の旅衣となりました。「製法は昔から変わりませんが、練り羊羹と小倉羊羹では作り方が異なります」。練り羊羹は小豆の中身だけを取り出し作るこしあんが元となります。小倉は皮付きの小豆をそのまま柔らかく煮詰めて仕上げるため、別の工程で作られています。
大事なひと手間も受け継がれていく。
個包装に入れるのは機械で流し込みしますが、栗は一つずつ手作業で入れ、箸で沈ませて空気を抜きます。このひと手間がないと個包装内に空気が入り、そこから品質が落ちてしまう。そういった商品は出荷できないため、大事なひと手間です。
手際よく仕上げていく三代目を横目に「簡単に見えますけど、実は難しい作業なんですよ。」と教えてくれた四代目。こうした日々の積み重ねで、清香室町の菓子が受け継がれていくのを感じたシーンでした。